枇杷の花 新美南吉・詩:湯山昭・ 曲

 

歌・福田香津代・津田直美 ピアノ・津田哲子 「湯山昭はお好き? その5」でのライブ録音です。

作曲者湯山昭氏の言葉

作曲家・湯山昭氏の言葉 歌手の眞理ヨシコさんの紹介で、 半田中日文化センター(愛知県半田市) 事務局長・近 藤恭弘さんから作曲依頼の電話があったのは、 1990年も押し迫った頃のような記憶がある。 「ごんぎつね」「手袋を買いに」などの童話で、こどもたちに親しまれている新美南吉は、 29 歳7ヶ月という若さで早逝した才能ある児童文学作家だったが、 彼は1913年7月に半田市 岩滑で生まれた。 同じく半田市でいま活躍する半田ロータリークラブが、創立40周年を記念して企画した 事業の一つが、 ごんぎつねのふる里“メルヘンこんサート、 だった。そのコンサートのために 近藤氏の仲介で同クラブの委嘱作品として書いたのが、 南吉の詩による「枇杷の花」である。 作曲は1991年の1月18日から19日にかけて。 17日に勃発した湾岸戦争の生々しい映像を見ながら、この平和な歌を作曲したあの時の複雑な気持ちをよく思い出す。 初演は1991年6月22日、半田市福祉文化会館に於ける“メルヘンこんサート、で、眞理ヨシコ、 ボニージャックス、 半田市合唱協会合唱団、 北野 実カルテットの皆さんと、 指揮・湯山 昭により、 華やかに歌いあげられた。

「枇杷の花」 新美南吉の童話と詩の世界〜それ は現代を生きる私たちにとって忘れ てはならない、 人としての優しさや心の豊かさの大切さを、常に語りかける。 「枇杷の花」は奇しくも私が生まれた半年前の1932年の3月、 児童文芸誌「赤い鳥」に「枇杷の花の祭」と題して発表された。 わずか10小節から成るこの歌に は、色と光と匂いにつつまれた白昼夢 の幻想の世界がある。 確かな声の支えで、童心の世界を優しく歌いあげて欲 しい。

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